こんな方におすすめ
- これから楽器を始めようと思っている
- 楽器の練習をしているけどイマイチ上達しない
- 練習が辛くて挫折しそう
- よりクオリティの高い演奏をしたい
そんな方のための記事です。
この記事を書いている人
■過去にメジャーデューの経験あり(ギター)
自分自身、とんでもなく非効率な練習をしてきた経験もあるので、その経験を基にお伝えします。
本記事の内容
■楽器の練習で最も大事なことは焦らないこと
どんな楽器でも一流のプレイが可能になるまでには、どんなに早くても5年から10年以上の年月が必要です。
これは、たとえ毎日何時間も練習するとしてもです。
ですので、まずいちばん大事なこととして「焦らない」ということを念頭に置いてください。
わたしは上達を焦ってしまったが為に、ものすごく遠回りした経験がありますので、そこで学んだことをいくつかシェアしたいと思います。
■楽器の練習方法の悪い例
以下に、良くない練習の例をまとめました。
注意ポイント
- フォームが崩れている
- 力みがある(リラックス出来ていない)
- 最初から早いテンポで弾こうとする
- 雑な練習を長時間続ける
- 最初から無理に一曲を通して弾こうとする
悪い練習例その1:フォームが崩れている
とにかくまずは、正しいフォームを身に付けることに集中します。
一度身についた悪いフォームを後から直すのは大変な事です。
最初の段階で正しいフォームを身につけてしまいましょう。
悪い練習例その2:力みがある(リラックス出来ていない)
一流のプレイヤーをよく観察してみてください。必ずと言っていいほどリラックスしているはずです。
武道でも楽器でもスポーツでも全て共通しています。
人間の体はリラックスしている時に、最も高いパフォーマンスを発揮するように出来ています。
不要な力みは演奏のクオリティを著しく低下させ、健康を害し、上達を妨げます。
悪い練習例その3:最初から速いテンポで弾こうとする
プロの演奏を聴いていると、とても早いフレーズをらくらく演奏していて、初心者は特に憧れてしまいますよね。
しかし、彼らが早いテンポで正確に演奏できるのは、確実に基礎から練習を積み上げてきた結果です。
基礎が出来上がっていない段階で速いテンポで演奏しようとすれば、当然演奏が雑になりますし、力みも生じます。結果的に非常に非効率な練習となってしまうでしょう。
悪い練習例その4:雑な練習を長時間続ける
人間の体は「何度も繰り返し行った動作」を記憶します。
ですから、間違った動きも繰り返し行ってしまえば、それが深く深く体に身に付いてしまうのです。
こうなると、上達どころか練習すればするほど下手になる、ということにもなりかねません。
悪い練習例その5:最初から無理に一曲を通して弾こうとする
よくある練習方法として、好きな曲を一曲ずつ仕上げていく、というものがありますが、正直あまりおすすめしません。
一曲通して「全く同じレベルのフレーズが続く」ということはありませんよね?
曲中にはとても簡単フレーズもあれば、難しいものもあります。
一曲を通しで仕上げようとすると、オリジナルのテンポで弾けるように練習していくと思います。
しかし、一曲を仕上げることにこだわってしまうと、たとえ曲中に苦手なフレーズがあったとしても、とりあえずその部分をごまかして最後まで通して弾く練習を繰り返すことになります。
結果的にその繰り返しによって、不完全なテクニックが身に付いてしまうのです。
■ハイクオリティな楽器演奏を可能にする【スーパースロープラクティス】
これまでお伝えした、悪い練習方法を読んでいただければ、結果的に正しい練習方法も見えてくると思いますが、念の為にここで説明します。
最終的に超一流の演奏を目指すのであれば、とにかく「基礎からの積み上げ」を可能な限り丁寧なものにする必要があります。
ココがポイント
- 常に”リラックス状態をキープ”することを意識する
- テンポを上げる練習は一切しない
- 「速く弾くことが自然とできるようになった」が理想
1:常に”リラックス状態をキープ”することを意識する
まず大切なことは、練習中に常にリラックス出来ているかを意識してください。
そして、リラックス状態をキープしながら、できるかぎり「きれいな音」を出すことを心がけます。
そうなってくると、当然テンポを上げることができなくなりますが、それで構いません。
初期の練習は可能な限り「スローテンポ」で行うのが最善です。
そして、とにかく1つ1つの音に不完全さがないかにフォーカスして練習を積み重ねていきます。
2:テンポを上げる練習は一切しない
ここでおすすめしたいのが、仮に1つのフレーズがスローテンポで弾けるようになった場合、少しずつテンポを上げる、とせずに、そのフレーズはとりあえず置いておいて、違うフレーズを練習していくことです。
そうすることで、様々なフレーズを効率的に幅広く練習していくことができます。
それじゃあいつまでたってもスローなテンポでしか弾けないじゃないかと思うかもしれませんが、それは違います。
1つ1つのフレーズをゆっくりなテンポで綺麗に仕上げていくと、わざわざ「テンポを速くする練習」をしなくても、いつのまにかだんだんと「速くも弾くことも出来るようになってくる」のです。
結果的に、テンポを上げていくための練習に膨大な時間を割く必要がなくなるので、その時間を他のフレーズを仕上げる時間に使うことができるようになるのです。
3:「速く弾くことが自然とできるようになった」が理想
速いテンポでの演奏への憧れがあると、どうしてもテンポアップに膨大な時間を割いてしまいがちですが、よほど気をつけていないと、それによってどんどん演奏が雑になっていきます。
それを避ける意味でも「スーパースロープラクティス」は、遠回りに見えて、ものすごく効率的な練習と言えるのです。
「クオリティの高いスローで弾けるフレーズ」をどんどん増やしていくうちに、「いつのまにか速くも演奏出来るようになった」というのが理想です。
他のプレイヤーがテンポアップのために時間を割いている時、あなたはどんどんフレーズのバリエーションを増やすことができるのですから、それが年単位になった場合、どれだけの差がつくかは想像できますよね。
■最後に
今回は楽器の練習方法の理想形をお伝えしました。
当たり前と言えば当たり前の内容だったと思いますが、それだけに非常に大切な内容だったと思います。
正直、10代で、たとえばロックとかメタルに夢中になっている時期に「スーパースロープラクティス」を続けるのは難しいと思います(笑)
本物みたいに速くかっこよく演奏したい、という強い思いがありますからね。
ですが、一応「理想」ということで、今回は記事にしてみました。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。