こんにちは。
みなさんはボクシングはお好きですか?
ボクシングというと、どちらかというと男のスポーツという感じがしますが、最近では徐々に女性格闘家などが活躍の場を広げています。
ただ、それが50年前だったらどうでしょうか?
その当時は、今とは全く状況は違ったはずです。
今回は、そんな女性が戦うということが珍しかった時代において、日本人として初めてプロボクサーとなった女性がいます。
高築正子
時々、TV番組でも取り上げられてはいるので、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、改めて彼女のこれまでの歴史、その生き様、そして現在はどうされているのかについて迫ってみたいと思います。
■高築正子さんの来歴
●出身地:埼玉県蕨市
誕生日:1947年(日付は不明)
身長:163cm
戦績:11戦8勝3敗1引き分け(3KO)
小学生の時代:柔道に打ち込む
高校時代:日本で初開催された世界バンタム級タイトルマッチをテレビで観たことがきっかけとなり、ボクシングに興味をもつ。 そして、17歳のときに高校を中退。 元東洋太平洋スーパーフェザー級チャンピオンの勝又行雄のジムに入門し、ボクシングを始める。
1974年4月18日、後楽園ホールでエキシビションマッチを行う。
1976年8月:女子プロボクシングが解禁された米国・カリフォルニア州ロサンゼルスに単身で渡りプロライセンスを取得する。 同年、9月30日、マリアン・トリミアー戦でデビュー。しかし、判定負け。 その後、全米ウェルター級5位まで上り詰める活躍をし、注目を集めた。
1978年、日本に帰国し、女子ボクサーとして初めて日本のリングに上がり、キックボクサーを相手に試合を行う。
全日本女子格闘技連盟認定の全日本女子プロボクシング王座を獲得。
33歳で引退。
その後、居酒屋を経営。 後にガッツ石松の紹介により栃木県にある「フィットネス・スパTRS」でトレーナーとして指導。 2012年からは地元に戻り根本重光率いる「スパイダー根本ジム」で指導に当たっている。
※参考サイトWikipedia
■高築雅子さんの幼少期は柔道少女
高築さんがボクシングを始める前は、どういう子供だったのでしょうか?
来歴にもあります通り、小学校の時は柔道をやられていました。
ただ、そのころ、テレビで頻繁に流れてくるボクシングの試合に夢中になったそうで、それをきっかけに自宅の庭でお手製のサンドバッグで毎日練習していたのだそうです。
「いつかボクシングをやるぞ!」という熱い想いを持ち続けていたのです。
■高築正子さんの渡米
ボクシングの虜になっていた高築さんが、やがて本格的にボクシングをやっていこう行動を起こすのは、ある意味自然な事だったのかもしれません。
しかし、そんな高築さんの思いが家族に知れるようになれば、当然、大反対を受けます。
ただでさえ危険なスポーツを、まだ10代の女の子がやろうというのですから、ある意味当たり前のことでしょう。
そして、17歳の時、高築さんは行動を起こします。
そう。すべての荷物をまとめて家出をしたのです。
物凄い行動力です。
否。そうさせてしまう位、高築さんにとってボクシングは大切なものだったのでしょう。
高築さんは、ボクシングジムに住み込み、選手のお手伝いをするようになります。さすがに、その当時は男性選手に混ざって女性が一緒に練習というわけにはいかなかったのでしょう。
ただその当時を振り返り高築さんは
「ジムにいて、練習を見ているだけで幸せだった」と語っています。
その後、家族に呼び戻された高築さんは、22歳の時、地元もボクシングジムからトレーナー見習いの誘いを受けます。
彼女はそのオファーを受け、それから7年間、選手の育成を行いました。
ただその時も彼女が実際にリングに上がることはできなかったそうです。
しかし、ある日、いつも読んでいたボクシングマガジンの中で、アメリカで女子プロボクシングが始まった、という記事を目にすることになります。
それを知った彼女は、自分もプロを目指したい、と思うようになりますが、その当時の日本には現在のように女子の正式なボクシング協会は無く、国内ではその夢は叶いません。
そこで、彼女は協栄ジムの金平正紀会長の力を借り、なんと実際にアメリカへ渡ったのです。
■本場アメリカでプロデビュー
高築さんは、アメリカのロサンゼルスのジムで練習に練習を重ね、念願のプロライセンスを獲得します。
実際に、その頃は「女性がボクシングをやる」、ということ自体が白い目で見られるような時代。
しかし、彼女にとって、ボクシングをやれる、ということだけで充分幸せだったのです。
家族や周りの人間、世間がどう思おうと、自分が本当に大好きな事を実際にやり続け、その夢を実現させてしまうその生き様は、本当に素晴らしいと思います。
言うだけなら簡単ですが、そこまでして我が道を行き続けるというのは、とてつもない情熱と強さが必要だったに違いありません。
■高築正子さんの現在
その後、彼女は35歳まで現役で戦い続けました。
残念ながら、チャンピオンにはなれませんでしたが、きっと彼女は幸せだったに違いありません。
帰国してから高築さんは、居酒屋経営などを経ていきますが、やはり彼女にとってボクシングがすべて。
再びボクシングトレーナーの道へ。
現在、彼女は70代ですが、実際に埼玉県の川口市にあるジムで、後輩の指導を続けています。
まさに、ボクシング人生。
それも、男性優位の世界で女性としてその道を切り開いた彼女の生き方は、何かを目指す人々にとってとても大きな勇気を与えてくれるものなのではないでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。